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zoom RSS 恋愛は人生の中心ではない、ないのだけれど・・・

<<   作成日時 : 2012/09/29 19:32   >>

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月末になるといつものようにマンガ雑誌を大量に買う。今月イブニングに日本橋ヨヲコの「少女ファイト」が掲載されていなかったのは非常に残念だけれど、岩岡ヒサエの「なりひらばし電器商店」が掲載されているのは毎回楽しみである。

「なりひらばし電器商店」は近未来の作品でありながら、根本的に様々な人との出会いがあって主人公が成長していく様子を描いているという点では著者の代表作「土星マンション」と兄弟というか姉妹のような作品である。主人公の初音が思ったことをズケズケ言ったり、行動したりして毎回ハラハラさせられるのだけれど、どこか冷めている波ちゃんやかおりが初音を面白がって一緒に行動するあたりの友情というのが面白い。またいつも細部や空間を丁寧に描いていて、構図もさりげなく凝っている。キャラクターに美男美女は登場しないけれど、設定がユニークで、一度登場したキャラクターを最後まで大事にしている。今後どのように作品が成長していくのかすごく楽しみだ。

今、一番勢いのあるマンガ雑誌はと聞かれたら、女性マンガ雑誌に関しては「Flowers」と答える。田村由美「7seeds」、渡辺多恵子「風光る」などのロングシリーズ、吉田秋生「海街diary」、水城せとな「失恋ショコラティエ」、西炯子「姉の結婚」、岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」などの人気シリーズもある。一番期待しているのは気鋭の新進マンガ家・穂積の新連載「さよならソルシエ」で、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの弟でフランス画壇の気鋭の画商だったテオ・ヴァン・ゴッホを主人公にしていて面白い。そんな穂積の単行本「式の前日」が発売されると聞いてすごく楽しみにしていたのに本屋の店頭に見当たらず、アマゾンで頼もうとしたら中古でしか扱ってなく、朝日新聞のコミックの書評でも取り上げられていたのに一体どうなっているのだろうと疑問に思っている。

水城せとなは「失恋ショコラティエ」も「脳内ポイズンベリー」の2作品がすごく面白い。水城せとなの単行本は全部読んでいる。現在BLを描いたことのある作家でその後にブレイクしたマンガ家のほとんどはBLに愛着があって、その後もBLを描いたりしているけれど、水城せとなの場合は彼女のBL時代の作品「ヴァイオリニスト」などは素晴らしいけれど、多分BLは描かないんじゃないかとは思う。今の彼女の作品は日常の何気ない人々によくある恋愛妄想の顛末をコメディタッチをからめながら面白く見せる方に感心があると考えられるからだ。そしてそれはすごく面白い。


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少女マンガが恋愛ばかりを描くのは大抵の女の子たちにとって恋愛というのは世界の中心に思える時期だからだと思うのだが(私の場合は決してそうではなかったけれど)、大人にとってはまず仕事をして生計を立てる中にようやく恋愛の要素というのが存在する。ただその恋愛の要素は少女時代のそれとは違って世界の中心ではないけれど、それでも人を懊悩させる部分ではあるのだが、水城せとなの「失恋ショコラティエ」も「脳内ポイズンベリー」にしても男女問わず支持されるのは日々懊悩させる恋愛の要素をカリカチュアさせながら上手く抽出しているからだ。

「脳内ポイズンベリー」は現在連載は中断しているが、ストーリーの進行自体は何気ないもので遅々としているものの、主人公の脳内における気持ちの葛藤は複数のキャラクターが常に会議を行っていて、恋愛の局面においてそこを踏み出すべきか止めるべきか、そして時には過去の黒歴史が参照されたりなどして、主人公が行動する前に様々なディベートがなされる。それは私たちが日常で恋愛にしろそうでないにしろ、行動一つにとっても何をすべきかどうすべきかと懊悩するごく当たり前に存在する光景を脳内会議という設定にしたところがユニークだと思う。


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「失恋ショコラティエ」に関して言えば、思いっきりネタバレをすれば「Flowers」の先月号で主人公の爽太は長年の片思いにケリをつけるべくサエコに告白する。この回は本当に心臓をバクバクさせながら読んでいたのだが、で、その後はというと懊悩がなくなったわけではなく、さらに別のことであれこれ悩み始めていて、基本的に顔がイケメンだろうが男(もしくは人間)の考えることなんて大差はないという著者のシニカルな視点は極めて天晴れである。結局人間なんて様々な煩悩に振り回されるのだが、だからといってそれが悪いものとして描いているわけでもない。そこがこの作品の面白いところだと思う。

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