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zoom RSS プロムはハイスクールヒエラルキーの象徴である―「GLEE」

<<   作成日時 : 2011/07/24 04:00   >>

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どうも昔から録画したものを放置する癖がついていて、基本的に観たい番組はリアルタイムで観るようにしている。先週の多忙な週の余波で「GLEE」を見逃していたのだが、案の定録画していたフリートウッドマックの「噂」の回を放置し、プロムクイーンの回を先に観てしまった。この回は俳優エリック・ストルツが監督していて、以前からエリック・ストルツ演出の回は人物描写などを丁寧に描いているのだが、ヴァレンタインデ―の回といい、今回のプロムの回といい、非常に派手なイベントの背後で傷ついている人、その中での仲間への思いやりを上手く描いていた回だったと思う。

それにしてもプロムというのはアメリカのハイスクール・ヒエラルキーを代表するイベントで、プロム・キング&クイーンを選ぶというのは何を根拠に選ぶのかも極めて曖昧ながら、その行方に一喜一憂する青春時代の象徴するイベントだと思う。またプロムに誰と行くのか、行くパートナーがいるのか、どんな衣装を着ていくのかなど様々な要素で自分が愛されているのかどうかを知らされる残酷なイベントだと思う。ただ「GLEE」でプロム・クイーンを狙うクインが選挙活動をしたり、サンタナが慈善活動の真似事をして好感度を上げようとしたりするのを観て、選挙のようだと思うと同時に、アメリカンドリームというのはElimination(除外)の下で成り立っているのだとつくづく思った。アメリカンアイドルが国民的イベントとなっているのは、正にアメリカの歌手になりたいと思う10万人の中から視聴者が好む歌手を選ぶコンテストであり、単純に歌の上手さだけでなく、様々な好感度などの要素が加わる、正にEliminationを代表するイベントだからである。

ただこのプロムは勝者にとっては晴れの舞台だが、敗者にとっては残念な、そしてプロムに行く相手のいない人にとっては憂鬱なイベントである。普段は気の強いメルセデスでさえもこの時はさすがに気弱だったが、相手がいないレイチェルと組んでサムにパートナーになってもらえるように取り計らう。サムも父親の解雇でとてもおしゃれして行く余裕はないのだが、その辺はレイチェルとメルセデスが負担し、「これは貸しよ」と念を押されるが、変に奢りにしないところがサムのプライドを傷つけることがなくフェアだと思った。

プロムで校長からパフォーマンスを頼まれたグリークラブだが、レイチェルが最初に歌おうとしたのがアデルの「Rolling in the deep」で、今年の大ヒット曲だが、なんとも恨み節のこもった歌なのだが、そこに昨年痛い目に遭ったライバルのボーカル・アドレナリンのスターにして、元彼のジェシーがレイチェルの前に現れる。ジェシーが大学を中退したいきさつは間抜けで、しかも相変わらず嫌みな男であることには変わりはないのだが、演じるジョナサン・グロフはさすがに歌が上手い。

ジェシーの登場でレイチェルに未練があるフィンの心が穏やかではなく、本当はプロムが面倒だと言ってしまうのだが、レイチェルはクインの立場になってコサージュのプレゼントを提案するのだが、自分の好きなフィンではなく女の子の立場になってしまうのもまたプロムというイベント特有の空気かもしれない。

ゲイのカートはボーイフレンドのブレインをプロムに誘う。ブレインはかつてプロムの日にいじめを受けたトラウマがあるのだが、カートのために参加しようとする。しかし張り切って英国のロイヤルウェディングのアレクサンダー・マックイーン風の衣装を自分で作るのだが、カートの父バートとブレインはカートがイジメに合わないかと心配する。

そんな波乱を秘めてプロムは開幕するのだが、フィンはレイチェルといちゃつくジェシーに腹を立ててケンカ腰になり、2人揃ってプロムを退場。さらにプロム・キングはかつてカートをいじめた隠れゲイのカロフスキー(今回カートに謝罪をした)、そしてプロム・クイーンにカートが選ばれるのだが、それは明らかにゲイのカートへの陰湿ないじめであり、カートはその場を逃げ去るが、後で戻り、ロイヤル・ウェディングネタでケイト・ミドルトンに対する皮肉を言う。キング&クイーンのダンスで隠れゲイのカロフスキーは逃げ出してしまうが、その代わりにカートをダンスに誘ったのがブレインで、ブレインは聡明で思いやりがあっていささか出来過ぎのボーイフレンドだとは思うのだが、これはゲイの願望なのだと思う。

一方クイーンに選ばれなかった女子たちは大荒れにはなるものの(クインがレイチェルをひっぱたくシーンの迫力、サンタナとブリタニ―のやりとりが良かった。ブリタニ―はおバカキャラという設定なのに時々鋭い核心をつく発言をする)、最後にはみんなでABBAのダンシングクイーンを歌って大団円となる。

映画におけるプロムのシーンというとブライアン・デ・パルマの『キャリー』と80年代青春映画の名匠だったジョン・ヒューズがプロデュースしたモリ―・リングウォルド主演の『プリティ・イン・ピンク』を思い出す。前者ではいじめられっ子のキャリーはプロムクイーンになるのだが、彼女をいじめていたクリスと恋人のビリーによって豚の血をかけられ思い切り笑い物にされる(ビリーを演じたのはジョン・トラボルタ)。そしてキャリーは超能力でプロムを惨劇の場にしてしまう。後者は貧しいけれど優秀な女の子とおぼっちゃまの恋の話なのだが、いざという時におぼっちゃまが彼女とのつき合いに二の足を踏んでしまい、ヒロインは私といるのが恥ずかしいんでしょとおぼっちゃまとケンカしてしまう。ただ一人でも彼女はバイト先のレコード屋の女主人から昔着たプロムドレスを自分でリメイクして幼なじみの男の子とパーティーに行く。プロムでかかっていたのがOMDの「If you leave」でこれは全米でトップ10入りするヒットになった。


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Carrie by Brian De Palma (Carrie's Revenge)
ヒッチコックを崇拝するブライアン・デパルマのテクニックが見ものの史上最悪のプロムナイトである。



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Pretty In Pink ( If You Leave)
この映画の男性陣で何気に素敵なのはモリ―・リングウォルドのお父さん役で妻に逃げられたダメダメ亭主のハリ―・ディーン・スタントンとモリ―・リングウォルドとアンドリュー・マッカーシーの恋愛を妨害するジェームズ・スぺイダーだった。


片方は惨劇、片方は一応ハッピーエンドにはなるものの、どちらもプロムにおけるハイスクールヒエラルキーが如実に感じられたが、いずれにせよどちらも私には強く印象に残っている。特に『プリティ・イン・ピンク』は私が映画にのめり込むきっかけとなった作品だし、音楽もイギリスのニューウェーブ系の曲を多く使っていた点も私好みで、またスザンヌ・ヴェガの「Left of Center」は主人公の心情を表現していて、良かった。こういう青春映画がありそうでない現状を少し寂しく思う。

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