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zoom RSS 頼むから静かにしてくれ、プロデューサー アメリカン・アイドル

<<   作成日時 : 2011/04/24 05:37   >>

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ジェームズ・ダーバンがザック・ワイルドと競演した「へヴィメタル」にすっかり興奮してしまったのだが、今回のアメリカン・アイドルの課題は映画の音楽からだった。

トップバッターはバラスーツの男ポール・マクドナルドで彼はいつもコンサートでアンコールでやる曲を想定しながら選曲するという。今回はトム・クルーズ初主演作『卒業白書』からボブ・シーガ―の「オールド・タイム・ロックンロール」で、ポールらしい個性は出ていたものの、先週の一皮向けた「フォルサム・プリズン・ブルース」と比較すると物足りない。ある意味先週は緊張感があって、それが良い面に作用していたと思う。

ここのところ順調だったヘイリーはリチャード・ギアを一躍スターにして、アルマーニを一躍人気ブランドにした映画『アメリカン・ジゴロ』のテーマソング、ブロンディの「コール・ミー」を歌った。ヘイリーはここのところ難曲に挑戦し、ジミー・アイオヴァインらプロデューサー陣はヘイリーをよく鍛えたし、それだけに彼女の成長にえらく満足していたが、選曲どうにかなんなかったのかと思ってしまった。とにかくカラオケそのものだったが、ヘイリーの歌唱力が問題ではなく、この曲自体が80年代の典型的なヒットソングなので誰が歌っても安っぽいカラオケになってしまうのだ。ヘイリー自体はどうにか彼女なりの持ち味を出そうと努力はしていたけれど。ヘイリーの歌唱力を活かすのなら映画『ストリート・オブ・ファイアー』の女性ボーカルの曲とか、せめてアイリーン・キャラの『フェーム』か『フラッシュダンス』のテーマ、『フットルース』からのボニー・タイラーの「ヒーロー」あたりが良かったのではないかと思った。それかティナ・ターナーが出演した『マッドマックス サンダ―ドーム』のテーマ曲とか『トップガン』からベルリンの「Take my breath away」など。この人は難曲を歌ってこそ持ち味が生かされるシンガ―だから。

ロレイン・アレイナはマイリ―・サイラスの『ハンナ・モンタナ』からの曲を歌ったが、彼女の良さというのは声がまず良いこと、喉も強いし、歌唱力もあるけれど、それを見せびらかすような歌い方をせず、ごく自然に伸び伸びと曲に感情移入しながら歌っている点である。そこに彼女の素直な個性というものが感じられるので、いつ聴いても彼女の歌は心地よい。

Lauren Alaina  The Clim


ただジミー・アイオヴァインは君はマイリ―・サイラスより才能あるとか(事実私はそう思うけど)、ピアのファンを奪ってしまえだの余計なインプットをするのでショ―ビジネスの人間には本当に困ったものだと思う。

今回は選曲に関して結構プロデューサーとコンペティターの意見の対立があった。ジェームス・ダーバンが筆頭だったが、ジェームスは絶対に意見を曲げないし、「こいつはクレイジーだから仕方ない」という空気を感じる。そして実際にジェームスは良いパフォーマンスをしているので文句は言えない。

スコッティは最初はハリー・ニルソンの「Everybody talkin'」を選び、出始めは結構悪くなかったのだが、スコッティは途中でキレてしまい、暴言を吐いた。結局彼は歌いなれているジョージ・ストレイトの「I cross my heart」にした。スコッティは若いけど結構手堅い選択をするのだが、今回は殺し文句の低音に頼らず、本当に自分にしっくりくる曲を歌いきったと思った。

Scotty McCreery  I cross my heart


あと先週は気の毒だったステファノくん、今週も健気な彼の姿を見て応援したくなってしまったが、決して悪くはなかったし、ホッとした。

Stefano Langone End Of The Road


ジェイコブ・ラスクは先週プロデューサー陣の勧めた曲を歌わなかったことで嫌みを言われていて、「見果てぬ夢」と「You'll never walk alone」を古すぎると却下され、「明日へ架ける橋」を歌い、好評を博したけれど、私としてはプロデューサー陣の態度がイラついた。「You'll never walk alone」はサッカーの応援歌としても使われているし(特にリバプールFC)、日本が震災に遭った時に長友選手がこの言葉を書いたシャツを着ていた。決して古い歌ではなく、色んな人を励ますことのできる永遠に歌い継がれる名曲だ。

シーズン6では優勝したジョーダン・スパークスがこの曲を歌い、大絶賛された。
辛口のサイモンが「今の曲としてリリースしてもヒットする」とまで言った。

Jordin Sparks - You'll Never Walk Alone


ジョーダンは声がきれいだったし、声域も広く、歌のスケールが大きかった。「明日へ架ける橋」も悪くなかったが、私はジェイコブでこの曲を聴きたかった。少なくとも彼一人でアメリカン・アイドルを戦えるのではないから、その気持ちを歌にこめればジョーダン以上に素晴らしく歌えたかもしれないし、観客へ自分の心情をアピールできたのではないかと思えてしまい、少々残念に思った。

プロデューサーとの意見の相違で言えばケイシーとジミー・アイオヴァインの意見の相違が一番緊張感があった。
私は以前からケイシーとプロデューサー陣との関係の微妙な面は気になってはいたが、今回ケイシーは覚悟を決めてナット・キング・コールの「Nature Boy」を選択した。正しい判断だと思う。コンペティションに勝つのは重要だが、それ以前に自分の本質を忘れないことが大事なのだが、ケイシーは結果としてスタンディング・オベーションを浴びた。

Casey Abrams  Nature Boy
(この曲はジョセフ・ロージーの唯一のアメリカ映画(?)「緑色の髪の少年」のテーマソングだ。
ウッドベースを持ったケイシーはセクシーで好き)


審査員たちはノラ・ジョーンズやマイケル・ブーブレのようにジャンルにとらわれず売れるアーティストはいるから、アーティストを目指せば良いと励ました。審査員がケイシーを救ってくれたことは感謝している。

ただ全体として言えるのはインタースコープでデビューを目指すのだから、代表であるジミー・アイオヴァインが一環して見るというのは、ある意味デビューさせる可能性のあるアーティストを通して見ることで責任を持とうとしている姿勢は感じられるのだが、プロデューサーとアーティストにも相性があるから、ケイシーやジェームズのように自分を貫かないと個性をアピールできる機会をあやうくなくしてしまう危険性もあると思った。個人的にはありあまる歌唱力がありながらアピールの仕方を模索しているジェイコブ・ラスクが心配である。

これまでアメリカン・アイドルのサントラ特集では色んな曲が登場したが、シーズン8では映画監督のクウエンティン・タランティーノがメンターだったのだが、クリス・アレンが映画『ONCE』の「Fallen slowly」を選んだ時に、「有名でなくても自分が本当に思い入れのある曲を歌うのが一番だ」と言っていた言葉を思い出す。この曲はシーズン9でリー・デワイズとクリスタル・バワ―ソックスがデュエットしたが(クリスタルがDVDをリーに貸してお互いにこの曲を気に入ったらしい)、これは素敵だった。

Crystal Bowersox & Lee Dewyze - Falling Slowly



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今回のブログのタイトルはレイモンド・カーヴァーの小説から引用したのだが、ジミー・アイオヴァインに対する私の気持ちである。プロとして的確なアドバイスも見られるし、ヘイリーは成長したが、ロレインをカントリー向きとするのもまだ早い気もするし、私としてはもう少しアーティストの個性を見守ってほしいのだ。

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めちゃくちゃいいですね、このデュエット!リーの声、いいですね!シーズン8でアダムにぞっこんになったあまり、その後チラっとみたアメアイシーズン9は極端につまらなかったので、シーズン9は見なかったのですが、こんなに素敵な声の人出てたんですね。

「見せびらかすような歌い方をせず、ごく自然に伸び伸びと曲に感情移入しながら歌っている点である。そこに彼女の素直な個性というものが感じられるので、いつ聴いても彼女の歌は心地よい。」
本当に!!!とても頷けました。今売れている実力派の歌手の中で求める声の女性歌手が探しても探してもいませんでしたので今の音楽業界にフラストレーションがたまっていたのですが、ローレンのCDは喉から手が出る程欲しいです。今のところはオーディションでの彼女が一番素敵だった気がします。アカペラだったせいでしょうか?アダムもそうですが、あれだけ良い声で歌が上手な人には大きな音は邪魔…。

miporingさんの深いところ迄届く的確な洞察が、いつもその回のアメアイを私に理論的に呑み込ませてくれますし、勉強になる楽しさです。もっともっと書いて欲しいです…

ステファノ、goodjob!まだ思いっきり感が足りない気がする(心はこもっているのだけど、強張っている/硬い感じ。)から、見た感じ自信満々スコットやポールのようにさらけ出してもっと音に酔いしれながらその場を楽しんだパフォーマンスを見せて欲しい。そうしたら、もっともっと彼の良さが現れる気がします。ボーイズUメンは高校時代大好きだったので嬉しかったです。

最後に特筆すべきはケイシー!!ああいう渋カッコいいパフォーマンス大好きです。彼はBlueNoteで演奏していてもおかしくない。本当に痺れました。自分を正しく貫くことで、それぞれ本当に色とりどりのシーズン10になっていて、非常に面白いです。
F-taro
2011/04/24 11:44
【p.s.】
ケイシーは見かけがこざっぱりしてきましたね。お肌もつるつるでしたしヘア(髭/頭)も整えられてましたし。

薄茶(ベージュ)のスーツでしたが、襟元にほんの少し赤が入っていた方が見た目がもっと素敵だったんじゃないかなと思いました。
F-taro
2011/04/24 11:58
F-taroさん、いつも拙文を読んでいただき、ありがとうございます。

リーとクリスタルは昨年の優勝・準優勝でした。リーはサイモンがいち早く声が良いと絶賛していて、最初は無愛想だったけど、アダム・ランバートがメンターの時にアダムのアドバイスで開花し始めたんです。クリスタルはシングルマザーで彼女も自分を持っていて音楽を愛して、歌唱力を見せつけるために声を張り上げるなんてことは絶対しなかった。シーズン9はこの2人とシボーン・マグナスという女の子が大好きでした。シーズン9のアダム、メンターの回は良かったですよ。課題もプレスリーでした。

ローレンは予選の時に伸び伸びと歌っていましたが、プロデューサー陣のプレッシャーがあるのでしょうかねえ・・・。

ケイシーは本当に徐々に垢抜けてきますよね。他の人があまり変わらないだけに。まあポールのバラ柄スーツは最初衝撃的でした。
miporing
2011/04/24 18:05
「Falling slowly」はシーズン8で優勝したクリス・アレンがかなり気に入っていたようですが、映画の中でも2人の男女がデュエットする曲だし、リー・デワイズとクリスタル・バワ―ソックスのハーモニーがとても良くて、私は断然こちらが好きですね。映画もすごく良いですけど。
miporing
2011/04/24 18:27
miporingさんこんにちは(^^)またおじゃましにきました。
なんていうか・・・
miporingさんの記事を読んでいて思うのですが、アメアイを見た後、私の頭の中でぐるんぐるんと考えてる色々な事は、すべてmiporingさんの文章によって120%表現されているのですいつも。過去の記事もいくつか拝見しました。
私は結構自分の直感的な感覚を信じてて、「だいたいなんでも私が正しいんだよっ!」と心の中でつぶやく、ひそかにも傲慢な人間なのです。大衆的で在りたくないとは思いつつ、アメリカの生み出す文化にまんまと引き込まれる素直な感覚も持っています。でもそれを人にうまく伝えることができません。miporingさんの人々に何かを伝える表現力、才能を心から尊敬します。

では、私なりの表現力でこの回のアメアイの感想はというと・・・・とにかくケイシーが超クールでした(^^♪サイコーにかっこよかった。それとジェームスのヘヴィメタルは思わずテレビの前でヘッドバンギングしてる自分がいました。私が感じるのは、ステファノ君もそうで、ピアもそうだけど高音の発声に共通のものを感じます。なんていうか喉が締まってる、詰まってる感じです。開いてない。伸びないストレッチ素材みたいな。聴いてるほうも苦しくなる。自分がカラオケで歌う時、「この音を裏声にするか、地声のまま突っ走るか?」悩んであげく喉が切れそうになった時のあの感じに似てるんです。
ジェイコブ君は、TOP24「God Bless the Child」の時一緒に大号泣して「もうこの人の優勝でいいんでしょ?」と思ったけど、本物のアーティストになるってことは本当に厳しい世界だなぁ〜とつくづく感じる今日この頃です。
長いコメントですいません。でもリザルトショーの記事にも書きます。まだ語りたいことがあるのです。良かったら読んで下さい。
こもも
2011/04/26 20:24
こももさん、コメントありがとうございます。
つぶやきは瞬間的に発することができますが、こももさんやF-taroさんなど真剣に物事を考えている方のご意見はこちらの方も非常に参考になります。
遠慮せずにどんどん意見を書いてくださいね。

ケイシーは個性とアーティスト性が揃っていて、今回は大勝負に出てよかった。プロデューサーの意見にまかれないで(笑)、良かったですね。
ケリー・クラークソンもお気に入りなのも納得。何気に彼はモテますね。

ステファノ君とピアの高音の発声はまさに私も感じていた通りです。ジョーダン・スパークスやロレインのようにどこまでも伸びるような高音ではないのですよね。ピアは聴いていると喉が強いタイプでもないので(ヘイリーのように)、プロになったら苦労しそうです。ピアとヘイリーとティアが「ティーン・エイジ・ドリーム」を歌った時もピアは全然目立ってなかったので(一番目立つのはヘイリー)、美人だからビジュアル含めて聴くとそれなりに良いのかもしれないけれど、結構高音が苦しそうですね。ステファノくんも一生懸命だから応援したいのだけど、確かに高音苦しそうで、彼を見る心境はシーズン8のアヌープを見るのと似ている心持ちでいます。

ジェイコブ君の声も高音は圧倒的に素晴らしいのですが、それまでの地声が少しくぐもっているのが残念だなあとも思います。You'll never walk aloneの方が絶対良かったのに(私もしつこいかな)。
miporing
2011/04/26 20:56

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