政治は中道を行かなければなりません―三島由紀夫原作 蜷川幸雄演出「わが友ヒトラー」より
島根から戻って一週間忙しい日が続いたが、そんな合間を縫ってシアターコクーンで蜷川幸雄×三島由紀夫×東山紀之・生田斗真のコラボレーション、ミシマダブルの中の1本「わが友ヒトラー」を観に行った。脇を固めるのは平幹二朗と木場勝巳という百戦錬磨の兵である。
最初に舞台裏の搬入口が開いていて、道路が見えている。そこから鏡に囲まれた舞台装置が組み立てられる。その鏡には観客自身も映るが演じる役者が三重にも映り、バカ正直なレーム以外は腹の中に一物を抱えた人間たちを多面的に捉える効果が見られる。
これはヒトラーがレーム事件で右派の突撃隊と左派の粛清を行った歴史的事実を背景に権力とは何かを如実に描いたものである。ヒトラーを演じたのは生田斗真。ヒトラーを友人だと信じて疑わない軍隊バカのレームを演じたのは東山紀之。どちらもハマっていた。ただ芝居も終盤で長い台詞を言うのに力みすぎていて、少し声がかすれている。また東山紀之は台詞が一本調子な上に、1回思い切りかんでいた。その点木場さんなどは穏やかながらも声がちゃんと通るし、声がかすれるなんてことはない。舞台における上手さというのは実に奥が深いものである。
生田斗真の方は力みがちではあるものの全身で役柄にぶつかっていて、随所にひらめきも感じた。随分ジュニアの活動が長かったのだが、まだ26歳というのには驚きである。様々な可能性が秘められているので、もっともっと蜷川さんのような優れた演出家に鍛えられたら魅力的な役者になるだろう。今でも十分映像の役者としては上手いけれど、演劇の方面でも活躍してほしい。
ジャニーズ事務所の舞台はいつも脇にちゃんと芝居ができる人を固めるが、平幹二朗さんの余裕は圧巻だった。ヒトラーをそそのかすメフィストフェレス的存在の死の商人クルップを余裕で演じてみせている。最後は生田斗真と平さんの会話だけになるので、ジャニーズ事務所きっての演技派・生田斗真といえども平さんがいなければ到底持たない芝居だった。歌舞伎役者のような存在感と杖をつきながらの微妙な間合いの芝居は正に舞台という生身の空間でしか表現しえないものだ。
やがて舞台はバラバラになり、搬入口からは道路が見える。舞台という巧妙に作り上げた虚構というのを楽しませてもらった。蜷川さん、平さんにはずっと長生きして頂きたいものである。
最初に舞台裏の搬入口が開いていて、道路が見えている。そこから鏡に囲まれた舞台装置が組み立てられる。その鏡には観客自身も映るが演じる役者が三重にも映り、バカ正直なレーム以外は腹の中に一物を抱えた人間たちを多面的に捉える効果が見られる。
これはヒトラーがレーム事件で右派の突撃隊と左派の粛清を行った歴史的事実を背景に権力とは何かを如実に描いたものである。ヒトラーを演じたのは生田斗真。ヒトラーを友人だと信じて疑わない軍隊バカのレームを演じたのは東山紀之。どちらもハマっていた。ただ芝居も終盤で長い台詞を言うのに力みすぎていて、少し声がかすれている。また東山紀之は台詞が一本調子な上に、1回思い切りかんでいた。その点木場さんなどは穏やかながらも声がちゃんと通るし、声がかすれるなんてことはない。舞台における上手さというのは実に奥が深いものである。
生田斗真の方は力みがちではあるものの全身で役柄にぶつかっていて、随所にひらめきも感じた。随分ジュニアの活動が長かったのだが、まだ26歳というのには驚きである。様々な可能性が秘められているので、もっともっと蜷川さんのような優れた演出家に鍛えられたら魅力的な役者になるだろう。今でも十分映像の役者としては上手いけれど、演劇の方面でも活躍してほしい。
ジャニーズ事務所の舞台はいつも脇にちゃんと芝居ができる人を固めるが、平幹二朗さんの余裕は圧巻だった。ヒトラーをそそのかすメフィストフェレス的存在の死の商人クルップを余裕で演じてみせている。最後は生田斗真と平さんの会話だけになるので、ジャニーズ事務所きっての演技派・生田斗真といえども平さんがいなければ到底持たない芝居だった。歌舞伎役者のような存在感と杖をつきながらの微妙な間合いの芝居は正に舞台という生身の空間でしか表現しえないものだ。
やがて舞台はバラバラになり、搬入口からは道路が見える。舞台という巧妙に作り上げた虚構というのを楽しませてもらった。蜷川さん、平さんにはずっと長生きして頂きたいものである。
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