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仕事初めから忙しかったが、それでも上司に時間休みをもらってスペインの女性監督イザベル・コイシェの新作「エレジー」の試写を観に行った。 イザベル・コイシェの作品で最初に観たのはアンドリュー・マッカーシー、リリ・テイラー主演の「あなたに言えなかったこと」。他者とどう関係性をとったら良いかわからない、傷つきやすい繊細な男女を描いているのが良かった。 その後、彼女は「死ぬまでにしたい10のこと」「あなたになら言える秘密のこと」で日本でもよく知られるようになった。 「エレジー」はフィリップ・ロス原作ということだが、あまり文芸色はなく、一人の快楽主義に陥っていた作家が、30歳下の女性に恋をし、初めて嫉妬や捨てられることの恐怖や自分の老いを感じる。女性の方はまっすぐ自分に向き合って愛し合い、共に生きたかったのに、それまで誰とも真剣に向き合ったことのない男は女と生きる未来像が描けない。 そんな男女をベン・キングズレーとペネロペ・クルスが演じるが、やはり複雑な人間を演じるベン・キングズレーの演技の深みが際立っている。 この映画で興味を持ったのはベン・キングズレーとペネロペ・クルスとの関係よりもデニス・ホッパー演じる詩人の親友とのユーモアや皮肉を交えたやりとり、若い時に一度だけ結婚し、結局逃げ出した主人公に恨みがましくつきまといつつ父との関係を求める息子との交流、20年間性的関係を持ちながら会話のなかった元教え子との関係…。この映画は関係にまつわる映画だと思った。愛する者が去り、自分の悩みを聞いてくれた親友をなくし、自分の周りにあった関係がなくなることで新たに自分を見つめ直し、関係性を構築しようとする一人の男と女を描いた作品である。 昨年から私は仕事でカナダと関わりがあるが、この作品の舞台はニューヨークであるが、ロケはカナダのバンクーバーであった。アメリカでは映画が撮りにくいのだろうか。 |
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